※ムーミンバレーパークのネタバレを含みます。
何があってもムーミンの事を好きでいられる自信がある方のみこのままお進みください(不穏)
自粛期間本当にしっかりとお家にこもっていたので、このストレスを少しでも癒せたらいいななんて思って昨日、ムーミンバレーパークに行ってきました。
今から言う事は決してdisっている訳でも無ければ注意喚起がしたい訳でもなくただただ私の一感想として述べたいだけの話という事を大前提として聞いて頂けますでしょうか。(ムーミンファンの方の逆鱗に触れてしまいそうで怖い。)
私昨日までムーミンの事を"のんびりほんわかゆったりライフの妖精さんか何か"だと思って生きてきたんですね。これは本当に無知で申し訳ない。
ムーミンをリアルタイムで見ていた世代では無い為、特にムーミン一家の人となり(?)を知る機会も無かったんですよね。
だから私の中ではゆるキャラ的な存在で、何でも「大丈夫大丈夫。次はきっとうまくできるよ」って何の根拠も無いけどなんだか説得力がある系の、人を励ます事を生業としてる生き物だと思い込んでいたので、今回もきっと自粛疲れの私を癒してくれるだろうと思って久しぶりの外出に胸を弾ませムーミンバレーパークへと向かった訳です。
ムーミンバレーパークに入園するや否や、ショーが始まる時間だったので、早速ショーの場所取りをして開演を待ちました。
テーマパークのショーといえば私がすぐに思いつくのが、でぃずにーらんどのわんまんずどりーむ2まじっくりぶずおん(検索避け)だったり、ぴゅーろらんどのみらくるぎふとぱれーどだったり、とにかくキラキラしたイメージ。
ムーミンはどんなショーなのかなぁー!って。まぁ流石にスパン衣装に身を包んでバキバキ踊ったりはしないだろうけどほんわかゆったり癒されるショーなんだろうなー!って。
思ってたんですよ私。
「あなた達もご存知の通り。人は何度も驚かされると、時には姿が見えなくなってしまうでしょう?」
「表にいるニンニもそうなの。おばさんにいじめられた訳なの。」
「おばさんはニンニの事を好きでもないくせにお世話をしていたの。全く酷い女だわ。」
開演から2分足らずでこの大不穏な語り。
しかも語り方が絶妙に暗くて怖い。アニメ口調で「まったく!ひどいおんなだわ!(ぷんぷん!)」って感じならまだしも、「全く酷い女だわ。(悟り)(真顔)(遠くを見る目)」って感じでとにかくなんか怖い。
要は、おばさんにいじめられてしまって心を閉ざし、自分の顔を見失ってしまって透明人間になったニンニという少女の心をもう一度取り戻してあげてほしいのムーミン。と、そういうお願いから始まる訳なんですけど
まぁ不穏。
最終的にそのショーは、ニンニが心を開いて実体を取り戻すし、途中に"すごい深い事言ってるのかもしれないと思ってたけどよくよく聞いてみたらりんごの調理方法を並べたててただけの歌"コーナーもあるし(disってないですこれは楽しかった)
このショーが言いたい事はとっっっってもとっっっっても大事な事だし、タイトルは「勇気を知った少女」だし、ハッピーエンドだし、何よりムーミンのフォルム"は"可愛い。
ただ、最後までしっかりニンニとムーミン一家を見届けて、終演後まず思った感想は
ムーミンもしかして私が思っていた感じと違う。だった事は正直に言っておこう。
自分と闘うニンニの心の扉を蹴り飛ばしてぶち開けた挙げ句土足で踏み荒らし超絶強引にニンニの感情と実体を取り戻す。みたいな驚くほどの荒治療療法ショーだった時点で私はこの世界の異様な空気に気付くべきだったと今は思う。
その後、ムーミンハウスで出会ったキャストのお姉さんのコスチュームが可愛かったのでやっぱり北欧最高だなぁ〜とか思いながらムーミン谷への期待値を取り戻したりした。
私がこんなブログを書くに至った決定的な出来事はこの後に起こるんですけど。
"ムーミンの歴史を知ろう!"なんて展示室があったら興味そそりますよねムーミンてどうやって出来たんだろう!ってワクワクしますよね。
展示コーナーは3階から1階にかけて見ていく順路との事だったので言われるがまま、エレベーターに乗り3階へ。
エレベーターの扉が開いた瞬間、私の目に飛び込んできたのは
真っ暗な室内にぼんやり照らされたムーミンとおどろおどろしい木のモニュメント。
なんで?
なんで、ムーミンの歴史を知りたいだけなのにいきなりこんな不穏な空間にほっぽりだされるの?
ここでやっと気付きました私はとんでもない世界に足を踏み入れてしまった事。
お化け屋敷に来たつもりじゃないのにお化け屋敷を歩き進めるぐらいのテンションで展示を見進めていたんですが、時たま現れるスナフキンやムーミン一家のフォトスポットらしきコーナーはかなり可愛くて癒された。
でも一歩フォトスポットの外に出るとやはり不穏。
絵のタッチがまじで怖い。
デフォルメされたムーミンしか知らなかったから原画のムーミンがあんなに不気味なタッチだって知らなかった。
ムーミンが今の形に至るまでの年代別ムーミンとかも貼られてたけど、一番最初のムーミンはまじで夢に出てくる。悪夢の方。夜、窓の外にあれがぼんやり浮かんでたらどうしようって考えてしまう人生が始まった。
美術館のようにムーミンの絵が展示されていたけど、虚な目をしたムーミンの絵に"ひとりになりたい"というタイトル。とかそういうのばかりで、もうなんでどうしてムーミン。
ねぇ…ムーミン………こっち向いて………?(悲痛な叫び)
繰り返しにはなりますが、決してムーミンやムーミンバレーパークをdisっている訳ではなく、"子供も楽しめるテーマパーク"だと思って踏み入れた地が"大人が考えさせられるテーマパーク"だった事のギャップに動揺してしまったという話ですので、どうかムーミンの事は嫌いにならないで頂きたいと思います。私はもう"ムーミン"と聞くだけで怖くて堪らないですけど。
ここまで言うといてなんですが、機会があったら是非足を運んで見てほしいなと思います。あの闇の深さは一度感じて欲しい。目を背けてはいけない闇な感じがします。人間の本質というか、色々考えさせてもらえましたこれは本当に。
(あんまりお子様にはおすすめ出来ないかもしれないかもしれない)(小声)
お子様は、ムーミンバレーパークに入る手前のメッツァヴィレッジでハンモック型アスレチックとかカヌーとか草原で自然に触れるという意味ではかなりオススメです!!!!!!!!!!(大声)
では最後に、
私があまりにも怖かった怖かったと言うもんだから、少しでもホッとしてもらおうと気を遣って、展示見てる時に唯一心が笑顔になったニョロニョロの質問コーナーの写真を送ってくれたノクマさんと、もう何も信じられなくなった私の会話です。
スナフキンは噂通りかっこよかったです。おわり。